わずかにちょっとそのむかし、あるところに300坪ほどの正方形の土地がありました。わたしと古くから付き合いのあるメーカーが所有する土地です。その会社とは長年、会社の寮などの処分や様々なトラブルの解決を引き受けてきました。

 わたしはいつものようにその会社に呼ばれました。
「宮崎くん、今日来てもらったのは、君に当社の長年の宿題を解決してもらうためだ。そろそろ終わらせたい。協力してくれないか?」
「はい、いいですよ。どんな宿題ですか?」
「当社が府下に所有する、角地で300坪ほどの良い土地があるんだよ。ところが60年ほど前に、その土地の一角に、当時の会長がご自分の家を建てしまったんだ。」
「はあ」

「後に当社と元会長との間で、底地の売買の話があったんだが、不成立となってしまってね。現在は元会長の孫が住んでいるんだよ。借地のようになっているんだが借地料の支払いはないし、固定資産税も当社がずっと負担している。何度も交渉するんだが、どうにもうまくいかない。そこで宮崎くん、トラブル付きでその土地全体を買い取ってくれないか?」
「いいですけれども、まず調査させてもらって、見通しがたった段階で買取させてください。」

 わたしは早速その家を訪れ、お孫さん(といってももう60歳前)と話を始めました。始めはなかなか話を聞いてくれませんでした。何度伺っても怒ってばかりで話を聞いてくれません。
「ウチは出ていくつもりはない。だいたい祖父は買うつもりだったんだ。」
「そのことですが、 会社法第356条(競業及び利益相反行為の制限) にひっかかったのだと思います。取締役が会社利益と相反する場合は、取締役会などの承認を得なければなりません。だから元会長は、簡単に会社の土地を買い取ることができなかったはずなのです。会社は嫌がらせをしたわけでは無いはずです。」
「・・・」
「今のままでは地主との関係が不安定です。いずれこの家を建て替える時に、相当なトラブルになりますよ。事実上建て替えは不可能になると思います。」
「なるほど。」
粘り強く通った甲斐があり、お孫さんもやっと話を聞く気になってくれました。
「そこでです。まずわたしの会社が今の地主から全体の土地を買取ります。わたしの会社が地主となったら、あなたの家屋を借地権付建物として評価させていただきます。その上であなたの家を買いますので、他に移っていただけませんか?
「なるほど。しかしわたしはこの土地を離れたくない。」
「ん~、でしたら、この土地内に交換の形で同等の土地を譲るのでいかがですか?」
「わかった。そういうことなら、その申し出に乗ろう。」

 その後の交渉で、その土地内に現在の借地権に見合う土地を用意し、家を建てて渡すことになりました。評価額を超える費用に関してはローンを組んでもらうことで合意。ほぼ注文住宅で建てることが決まりました。これでなんとか元会長から続いた問題が一つ解決です。
 しかしここからが難題です。正方形の土地であるため区画割りが難しいのです。区割りを間違えると引き込み道路ばかりになり、売土地が減ってしまいます。引き込み道路というのは、主要道路から家までを結ぶ私道のことです。
 随分考えましたが、幸いその土地は角地で2面が道路に面していました。そこで元会長のお孫さんには、家を道路から遠い奥の隅に配置させてもらい、その代わりに4メートル幅の専用道路を交換条件とは別につけることで合意していただきました。おかげで、6軒の建て売りが配置することができました。

 その後、6軒の建て売り事業も順調に進み、元会長のお孫さん、元の地主の会社も皆喜んで頂けました。もちろんわたしも。

 最後の一軒が契約が決まった日の夜、久しぶりにホームパティーを開きました。友人の料理人 TOMOMI(tomo-mir) さんに出張料理をお願いしました。今回は中華料理。餃子に麻婆豆腐に干豆腐などなど。特に初めて食べた干豆腐は衝撃的でとても美味でした。いつも以上にお酒が進みました。

第356条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。

二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。

三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。

2 民法第108条の規定は、前項の承認を受けた同項第2号の取引については、適用しない。
今回適用されたのは、第1項二号と思われます。
こう

TOMOMI(tomo-mir)
屋号のmir(みーる)は、英語で「たべること」の【meal】と、「世界」や「平和」の意味をもつ、ロシア語の【MNp/mir】そして、子どもの頃のあだな【みぃ】からつけられたそうです。イベントやケータリングでお料理を提供されています。

tomomiさんがお料理されている姿は、本当に楽しそうです。

何度か、自宅にケータリングに来ていただいたときのこと。
キッチンの中で、まるでカモシカかしらと思うほど軽やかにしなやかにステップをふんで、次々と野菜やお肉やお魚を料理していかれます。包丁さばきがとても美しくて素材のほうが自分から形になっていくみたいな不思議な感じがするので、ずっと横で見ていたいくらい。
BGMもかかっていないのに、陽気な音楽がきこえてきそうな雰囲気で、スピーディーにお料理が次々に完成!どれも、とってもカラフルで、とっても美味しいのです!!

tomomiさんは、おいしそうっ!!と感じられたら、どんなジャンルのお料理もつくっちゃうパワフルさ!

おいしいお料理で、人がしあわせになってほしいという願いを大事にされているひとです。
tomomiさんのお料理を、プロセスもふくめて、ぜひ一度味わってみられることをおすすめします♡

Mail:mir@kaya.asia
Instagram:tomo.mir